お盆

お盆は実家に帰省。
父親の実家にも行きました。

父親の実家は岩手でして,今年の震災で被害を受けた宮古市にあります。
幸い山の上に家があるので,家族も家屋も無事でした。

でも,親戚には亡くなってしまわれた方もいました。
お線香をたてに行ってきましたが,おれよりも若いであろう彼の遺影は,自然災害の非常さ無常さを顕著に表しているように思えました。


帰り際に,海岸沿いを車で走ってきました。

基礎だけ残して流されてしまった家が多数。
工場のようなところは,トタンや窓ガラスにところどころ穴が開き,廃墟と化していました。

堤防もきれていました。
いや,きれているどころか,丸々流されていた。


鉄くずだとかぼこぼこになった車,家の材料だった木材がところどころに山積みになっていて,そこらじゅうごみの山でした。


海水に浸された杉の木は葉を茶に染め,死に行くばかりでした。




ニュースを見ていて,映像としては知っていたけど,実際見てみると絶句。
なんも言葉が出なかった。

津波凄まじいな。




堤防が切れているところで,車を降りてぶらぶらしてみました。
少し歩くと,おいしそうな匂い。

地元の方々が,護岸でバーベキューをしていました。
せっかくなので,話しかけてみることに。

なんでも,みなさん家を流されてしまって仮設住宅に入っているようで,そこで知り合い意気投合してバーベキューをすることにしたんだとか。
小学校低学年の子も何人かいて,日が沈みきってなくてまだ明るいのに花火に夢中でした。

岩手では,お盆にお墓の前で花火をします。
バクチクだとかロケット花火と派手目な花火が主で,線香花火は家に帰ってからという暗黙の了解があります。
先祖を派手に迎えてやるのが流儀だ!と祖父が言っていたのですが,本当の理由はよくわかりません。


その小学生達も例にならって,バクチクだのロケット花火だのを海に向かって派手に散らしていました。

「流されてしまった人はお墓がない。海にむかって花火やればちょっとは楽しいかなー。」

と女の子が言ってて,あー強いなーって。


お父さんお母さん方も,「海でわいわい楽しむことで,おれらは負けないぞ!っていう意気込みを海に見せ付けてやりたかった。」って言ってて,ここの人たちはすごいなと。



なんだか被災して色々と辛いはずなのに,逆に元気をもらってしまった。




そんな2011お盆。